7Nov
振袖の長さ
振袖は未婚女性の第一礼装と言われ、正式には大振袖、中振袖、小振袖の3つに対分されます。現在でいう振袖は大振袖にあたり、長さはおよそ124~114cmのもので、主に成人式や結婚式の披露宴などで着用されています。
振袖のデザイン
振袖のデザインは手描き友禅の技法を元にして描かれた風景、四季の草花、鳥獣などを取り込んだものが一般的です。また、未婚女性の第一礼装として品格を重んじて、金箔や刺繍を施した華美な柄付けが多く見受けられます。
振袖の起源
振袖と言われる着物は江戸時代に誕生しました。
起源とされるものには諸説ありますが、そもそもの発端となったのは、舞台で踊りを披露する踊り子たちだと言われています。袖丈が長い方が舞がより美しく見えるという理由から、彼女たち、あるいはその親たちが、着物の袖丈をより長いものへとさせていったのだと言われています。
そんな踊り子たちの間で生まれたのが、袖を振ると愛情を示し、袖にすがると憐れみを請うという風俗です。それを未婚の女性たちが真似をして大流行したのです。
また、当時は女性から思いを伝えることがタブーとされていたため、男性からの求愛された際にはOKの時には袂を左右に、NOの時には袂を前後に振って意思表示をしたとも言われており、これが現代においても男女間の間で『振る=ふられる』『振られる=ふられる』の語源になったと言われています。
こういったことが振袖の起源とされていますが、振袖を機能面で見た場合、袖丈が長ければ華やかに見える反面日常動作には支障をきたします。そのため明治時代以降には、振袖が普段着で着られることはほとんど無くなりました。
未婚女性の正装としての振袖
袖を振るという仕草は、男女間の意思疎通だけではなく、厄払いや清めの儀式にも通じるとされています。上記のように普段着として着用されることは無くなりましたが、その代わりに成人式や披露宴など、人生の節目となる門出の儀式に身を清めるという意味を持つようになり、未婚女性の正装として、着物としての文化的な発展を遂げていったのです。